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台風到来

 先日、大型の強い台風24号が来るというので、私だけ大阪に早めに帰ることにした。予定では、子供たち孫たちと少し早めの晩ご飯を食べてから帰阪する、でしたが、3時には新横浜へ向かっていた。結局6時には大阪に着いて、台風に備えていろいろ整えていた。
 次の日、土曜日の朝に修理していただいた瓦を見て、雨戸を点検、ガラス窓をどうするかを思案していたが、一部、板で覆う。昼の12時には新幹線が運休、大阪近郊の鉄道各社も少なくとも3時までには、地下鉄以外は不通となり、ターミナルにある百貨店は臨時休業、まさに厳戒態勢の街と化した。マスコミ各社は、沖縄や南九州の荒れ狂った被害状況を報道し、30年来の大型台風と報道、この4日に来た台風もそうであったではないか、と不可思議極まりない。

 家内は今日帰ってくる予定であったが、新幹線は運休、明日になった。台風が来るのであれば、こちらは臨戦態勢でお酒も飲まずに、風害や浸水に備えねばならない。万が一避難所へ出向くことも覚悟する必要がある。何せ30年に一度、この前の21号と変わらず大型台風であり、ということは第二室戸台風に匹敵する。大阪湾の左寄りを通れば、大阪は高潮被害、風害を覚悟せねばならない。ゆっくり食事もできない。
 真面に来れば、たいへんと思い、非常食を作り始める。ご飯を炊いて、鰹のふりかけと塩昆布、ゴマをまぶしたおにぎりを9つ作ってタッパに入れ、漬物と海苔、お茶を添えた。次いでにゆで玉子も5個。懐中電灯も点検して、弁当の横に置く。これで避難するときはこれを持って出る。

 ところが、夕方、風雨が強くなってくると思いきや、雨も風も大したことはない。雨は普通の雨、風も強くない。雨戸は閉めてあるので、外が見られるのは、台所の小さな窓だけである。TVではサザエさんをやっているが、大阪湾上が進路ととなっている。昨夜、今朝から、予想図は変わらない。四国沖を北東の方向に進むとアナウンスされているが、4時間も5時間も経っても、進路は北東、大阪湾を目指して進んでいる。
 風は強くなっていないし、雨も小降り、もっと太平洋側を走っているのではないだろうか。サンテレビのニュースが一番良心的で、紀伊半島の和歌山に上陸すると思われると報道していたが、NHKが最悪で、まだ大阪湾が進路の真ん中に位置していて、扇の進路は、左に振れて神戸、右に堺辺りになっている。予報士は「近畿地方に上陸する模様」と言い、「紀伊半島」とは言わない。台風は四国の沖、室戸半島の南、紀伊水道の南を斜めに横断しているにも拘らず、近畿地方と言う。ここまで来ているのなら「紀伊半島の○○付近」でしょう。
 素人が見ていても、進路が北東であってもなだらかな北東で、つまり東北東よりで、(前の21号のときは北北東よりの北東)沖縄付近からのコース取りからして、そうである(=なだらかな北東)と感じていたが、どうしても台風の進路は、大阪湾へ向けて進めたいという意図が見えていた。何か釈然としない苛苛する気象報道であった。こんな報道があっていいものか。

 お酒も飲めないので、しばらく時間潰しに、りんごジャムを作ることにした。家内がよく作っているので、見よう見まねであったが、りんごは全部で8つあったが、4つだけにした。皮を剥いて塩水に浸け、砂糖を量り、レモン汁を用意して、ステンレス鍋にガバッと入れて火を点けた。しばらく中火で沸騰まで、あとはトロ火にして30分くらい、果汁を飛ばしながら5〜3分ごとに様子を見て、完成、しばらく冷ましておいた。
 風や雨は激しくならないし、こちらには向かってはいないようだ。暴風圏内が200kmとすれば、もう荒れ捲くってもいいはずだ。そうこうするうちに、和歌山の田辺市に上陸した模様と発表。発表が遅すぎる、さっきから1時間も経っているんやで〜、大阪湾を予想進路としていた台風24号、当初の扇の中にも入っておらず、大きくそれて和歌山田辺市である。こんな台風予想、報道があるものか、と憤りを隠せない。

 やっと、ビールを飲みながら食事をすることができた。さっき作ったおにぎりとゆで玉子、横浜名物シウマイ、おでんの残りを食べた。台風がまっしぐらに来ていたら、ビールなんて飲んでいる場合ではなかった。良かった!良かった!

 りんごジャムはタッパにちょうど入ったので、味見は後日となった。(2018.10.3)